父方・母方のお墓をまとめる場合。お墓のみとり・離婚した夫婦のお墓について

しきたりのルールやマナー

最近は、お墓の後継者が減り、一人がいくつものお墓を管理するケースが増えてきています。

そんな時、例えば母方と父方、両家のお墓をまとめてひとつにしたいという時にはどのようにすればよいのでしょうか。

どちらか一方にまとめるか、新しくお墓を建てて遺骨を納める場合でも、お墓の引越し、つまり、改葬が必要になります。

改葬する場合は、後々のトラブルを防ぐためにもお寺などの墓地管理者とはしっかりと話し合いましょう。

またご先祖の遺骨を移動するわけですから、親戚間での話し合いはもちろん、小まめなやりとりを心がけて、改葬手続を行いましょう。

 

父方のお墓と母方のお墓をまとめる場合には?どちらかが共同墓地の場合

父方のお墓と母方のお墓をまとめる場合、どちらかが共同墓地に入っている場合はどのようにすればよいのでしょうか。

最近になって広まってきた共同墓地とは、個々のお墓を指すものではなく、石碑や供養塔などを設けた広い納骨スペースに共同で遺骨を納める全く別のタイプのお墓となっています。

共同墓地の遺骨を移す方法としては、お墓に納められている骨壺を全て移す方法といくつかの骨壺を取り出して移す方法、また骨壺から遺骨の一部を取り出し、納めるという方法もあります。

ただし、共同墓地にみうちの遺骨を残しておくと、後継者がいない場合に誰もお参りする方がいなくなり後になってから困るというケースもあるので、その場合には永代供養という方法もあります。

 

永代供養について

永代供養とは霊園などに遺骨の管理を任せることを言います。

改葬が墓じまいをした後に新しいお墓に骨を移すのに対して、永代供養は新しいお墓を持たないという大きな違いがあります。

ただし遺骨は永久的に管理をされるわけではなく、33回忌などの一定期間が過ぎた時点で、他の方の遺骨と一緒に合祀されることになります。

永代供養には、遺骨を合祀する形と個別に管理する形がありますが、どちらもお墓を建てるよりは費用が安く、合祀型の場合は10万円から30万円、個別型でも30万円から100万円という価格で遺骨を供養してもらうことができます。

さらに独身である、または結婚していても子供がいないといったように、将来自身のお墓の管理をしてくれる方がいない場合に、永代供養を選んでおけばきちんと供養をしてもらえるというメリットがあります。

また子どもがいる場合でも、子どもに迷惑をかけたくないという理由で永代供養を選択されるケースもあります。

 

永代供養後に法事をする必要はあるの?

例えば13回忌の法要後に永代供養を行った場合、33回忌供養の法事を行う必要はあるのでしょうか。

永代供養墓の場合、契約を済ませた後は管理者である寺院または霊園が責任を持って供養してくれます。

どのタイミングで供養するのかは寺院・霊園によって多少異なりますが、一般的な場合、春と秋のお彼岸、お盆、年に一回または毎月の合同供養日、命日、回忌供養といった日に供養をしてくれるなど管理者によって供養のタイミングや内容はさまざまです。

いずれにしても永代供養墓の場合、個人がその先の供養を行う必要は特にありません。

しかし回忌供養は、故人を思い出し、さらなる冥福を祈り成仏を願う大切な機会です。

従って遺族側で法事を行ってはいけないという決まりはありません。ですからすでに永代供養をお願いした場合でも、遺族側で法事を行うことはかのうとなっています。

当初の契約で、寺院・霊園が回忌供養を行ってくれるいう場合でも、事前に管理者に相談することで、遺族の意向も踏まえた回忌供養の法事を行うことができますよ。

 

どうしてもお墓を残したい場合は「お墓のみとり」

どうしてもお墓を残したい場合には「お墓のみとり」という方法もあります。

お墓のみとりとは、お墓を守る最後の方が亡くなり決められた後に、供養をしてお墓を更地にする作業を代行して行うことをいいます。

例えば、自分が元気なうちにお墓を解体し、亡くなった家族や先祖の遺骨をを永代供養墓や合葬墓に移すとします。

しかしその後、自分自身が亡くなった際にはどうしたらよいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。

そんな方のために、お墓のみとりのサービスを行う業者では、生前に司法書士や行政書士、弁護士を通して死後事務委任契約の公正証書を作成し、最後の墓守りの方を納骨してから、一定期間供養してからお墓じまいする仕組みとなっています。

つまりこのサービスは、跡継ぎがなく墓じまいせざるを得ない方にとっては、とても便利な方法となっています。

 

離婚した夫婦の場合、お墓はどうするの?

例えば両親が離婚している場合、お墓をどうするかは、どちらかが亡くなり一方が存命している場合は、まずは本人の意思を確認する必要があります。

離婚をしていない場合であれば、夫側の家のお墓に入るか夫婦で建てた墓に可能性が高いですが、離婚した場合は実家のお墓に入ることも多いようです。

それでも実家の墓に入りづいらいという場合は、ご自身でお墓を購入して個人墓を建てるか、納骨堂や永代供養墓などその他の方法を探す方もいらっしゃいます。

また子供のために配偶者の苗字をそのまま名乗る場合は、実家のお墓に入るには、墓地の管理人が難色を示すこともあります。

ですからお墓に実家の旧姓の苗字のほかにあらたに嫁ぎ先の苗字を彫刻したり、墓誌を立てるなどの工夫が必要となります。

 

子供はどのお墓に入るのか

 

子供は父母どちらのお墓に入ることも可能です。

子供が結婚をしていれば配偶者の家の墓に入るか、配偶者と建てた墓に入るなど選択は広がりますが、未婚の場合は実家の墓に入ることももちろんありますし、あらたに墓を建てる方もいるでしょう。

また離婚した両親のうち父親が先に亡くなり、子供が墓を建てたとします。

その後母親が亡くなった場合、戸籍上は離婚していても子供自身がよければ離婚している母親も同じ墓に入ることができます。

ただし、お寺の住職にも前もって相談するのがよいでしょう。

 

仏壇が家に2つあっても大丈夫?

現代では家族と離れて暮らす方が多くなり。

昔は3世代が一緒に暮らすというのも当たり前でしたが、今ではまれなケースとなっています。

そのため、後から一緒に暮らすようになった際に、仏壇がそれぞれの家にある場合どうしたらよいのかわからないという事態に陥ることもあります。

実はひとつの家に仏壇が2つあるという場合でも、特に問題はありません。

ただし、正式には駄目だという方もいますし、地域などによっても状況は変わったり宗派の問題などもあるため、仏壇を2つ置く場合にはやはり注意しなければなりません。

特に仏壇が2つある場合、宗派が同じか異なるのかでも対応は大きく変わってきます。

同じ宗派だった場合、仏壇を2つ置く際にはどちらの宗派にするのかといったことを考えなくてよいので、行いやすいというメリットがあります。

ただ、異なる宗派の場合は、1つの宗派をまとめるのか、宗派は残すのかという問題が生じます。

仏壇をまとめる際にどちらかの宗派に統一すると、もう一方の宗派やお寺とは縁がなくなるという形になります。

またお仏壇は1つにまとめるけれども宗派は残すという場合は、仏壇は1つにまとめるものの宗派は統一せず、両方のお坊さんにきていただき供養するという手段をとる方もいるようです。

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