お参りにはお墓が遠い!改葬や分骨を考えたとき知っておきたい費用や相場・手順について

お墓の問題について

現代では少子化や核家族化が問題となっており、お墓の承継が困難なケースが増えています。

また自分が実家から遠方に住んでおり、高齢になり墓参りが厳しくなってきたので近くのお寺にお墓を移したいなど、実はこういった悩みを持つ方が最近増えてきており、業者などにはさまざまな相談が持ち込まれています。

 

高齢になり、お墓を移したいという人が増えている

実際に

「今後の問題として、私自身も80過ぎており、できれば昔からある近くのお寺に移したい」

などという相談が寄せられることもあるようです。

さらにお墓に埋葬してある遺骨を、現在のお墓から他の場所のお墓へ移すことを改葬といいますが、近年ではこの改葬を希望する人も増加傾向にあります。

このように、承継者がいなくて先祖代々のお墓を維持・管理することが困難な場合や、お墓が遠い場合などには、お墓を近くに移すことで供養を継続することが可能です。

しかし、例えば近くのお寺が一杯で順番待ちしなければならない場合や、他のお墓から遺骨を移してお墓に入れたいという場合にはどのようにしなければならないのでしょうか。

 

近くのお寺が一杯で順番待ちの場合も

「近くのお寺が一杯だけど、そこが私の家から一番近いのでどうしてもそこにお墓を建てて遺骨を移したい」実際にはこうしたことが起きるケースもありそんな時には、順番待ちをする必要があります。

またお墓からご遺骨を取り出す場合には、まずそのお墓の墓地管理者に連絡をし承諾を得なければなりません。

お寺にお墓がある場合は、そのお寺の檀家となっているケースがほとんどです。

ですから改葬などをする際には、今後そのお寺の檀家を続けるかどうかなどを、きちんとお寺側と話し合いをしなければなりません。

今後の手続きを円滑に行うためにもきちんと墓地管理者に連絡をし、手順を踏むようにしましょう。

 

お墓を改葬する手順とは?

①兄弟や親戚同士でよく話し合う

お墓の改葬を際、最初に行わなければならないのは親族でよく話し合うことです。

代々受け継がれてきたお墓には、多くのご家族やご親戚も供養されています。

たとえ自分が承継者でありお墓に関する責任があるとしても、誰にも相談することなく改葬を行うと、後でトラブルとなることも考えられます。

ですから、古い遺骨をどのように供養するか、またどのような場所に遺骨を移し改葬したいと思っているのかなどを十分に話し合う必要があります。

 

②石材店に見積もりをとる

話し合いが終わり同意を得たら、石材店で改葬に掛かる費用の見積もりを出してもらいましょう。

複数の石材店で見積もりを出してもらい、よく比較検討してから石材店を決めることをおすすめします。

また、遺骨を取り出し墓じまいする場合には、古いお墓は必ず撤去し、墓地を整地して管理しているお寺にに墓地の区画を返さなければなりません。

その際一つの石材店で墓石の解体から撤去、また新たな墓石の建立までお願いすることが理想的であると言えるでしょう。

しかし、墓地の規則によっては、石材店が指定されていて自分で選べないこともあるので注意してください。

 

③受入証明書を取得する

受入証明書とは、改葬先のお寺や霊園から発行してもらう書類です。

埋葬先によって必要な書類も異なるので、どのような準備をして置けば良いのか、事前にお寺や霊園にあらかじめ確認しておくようにしましょう。

 

④埋葬証明書を取得する

お墓があった墓地や霊園から、埋葬証明書を発行してもらいましょう。

 

⑤改葬許可証を取得する

改葬を行うためには、改葬許可証が必要となります。改葬許可証は、お墓がある各市町村の役場で申請して発行してもらいます。

改葬許可証を発行してもらうためには、受入証明書や埋葬証明書、改葬許可申請書などが必要となります。

改葬許可申請書とは、改葬許可証を発行してもらうために必要な書類のことで、埋葬されている遺骨の人数分の枚数を用意しなければならないのでその点は注意しましょう。

また、墓地の承継者の代わりに違う方が申請書を提出する場合には、墓地使用者が改葬を認めていることを示す改葬承諾書が必要となります。

 

⑥閉眼供養を行う

改葬の工事を始める前には、大切な法要である閉眼供養を行わなければなりません。

墓石には、そのお墓に眠る故人の魂が宿るとされています。閉眼供養せずに工事を行うことは、故人の魂だけではなく墓地を守る仏様や自然霊に対して大変失礼に当たります。

そのため、改葬に入る前にはまず閉眼供養の法要を行い、墓石をただの石材に戻してから改葬作業に取りかかるようにしますしょう。

 

⑦遺骨を取り出す

閉眼供養が終わったら、遺骨を取り出します。遺骨はカロートと呼ばれる墓石下部の小さな納骨室に納められています。

遺骨を取り出す際には、安全に取り出せるように細心の注意を払いましょう。

また古い墓石であるほど足場は悪く、また多くの遺骨が納骨されているので、遺族で取り出すことが難しい場合があります。

ですから遺骨を取り出す時には無理をせず、専門業者である石材店に依頼するなどして、安全に行うようにしましょう。

 

改葬にかかる費用はいくらぐらい?

「金額的なものがいくらほどかかるのかわからない。お寺さんによっても違うのかもしれないけど…」実際このような疑問を抱えている方は実は多く、改装するどのぐらい費用がかかるのかはやはり気になるところですよね。

改葬にかかる費用の平均総額は、だいたい200~300万円程度と言われています。

またお墓そのものを残して分骨する際には、またかかる金額が違ってくるようです。

 

分骨することは可能?

遺骨を移すことを検討している方の中には、例えば「先祖代々の墓から、自分の両親の遺骨のみを取り出して最寄りのお墓に葬りたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

実際このように考え、業者に相談に訪れる方もいるようです。このように元々はひとつの墓に入っていた遺骨を、別々の場所でそれぞれ管理して供養することを分骨といいます。

最近はさまざまな事情から、新しいお墓を建てて分骨をするが増えています。

分骨に関しては「分骨をすることで魂が分かれてしまうので成仏ができない」「分骨をすることによって、あの世で故人が五体満足になれない」などといった迷信が存在しますがこのような迷信には実は何も根拠がありません。

分骨に不安を感じられる方もいるかと思いますが、大切なのは故人を偲び供養する気持ちです。

分骨をすることによって手厚い供養がされるのであれば、故人もきっと喜んでくれるでしょう。

 

分骨にかかる費用は?

①骨壺代

分骨して遺骨を安置するためには、骨壺が必要です。骨壺はデザインや材質、サイズによりその値段も違ってきますが、平均的には5000円〜1万円程度であると言われています。

 

②開眼供養のお布施

開眼供養にかかるお布施の相場は3万円〜5万円、その他お車料や御膳料代がかかります。

お車料とは僧侶が開眼供養開場に来てくれるまでの交通費のことですので、お寺で行う場合は必要ありません。

また、お斎に僧侶が参加される場合は、御膳料代も不要です。

さらにお墓が既にあって分骨する場合は、遺骨を取り出したお墓と、遺骨の移動先のお墓の両方で開眼供養を行う必要があります。

 

③閉眼供養のお布施

すでにお墓があり、分骨する場合には閉眼供養が必要です。閉眼供養のお布施も開眼供養と同様3〜5万円で、開眼供養と同様にお車料や御膳料代がかかります。

 

④墓石の移動費

お墓から遺骨を一部取り出す場合には墓石を移動しなければなりません。基本的にはお寺や業者に依頼して移動してもらうので、だいたい2〜3万円程度かかります。

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